水道設計の仕事は、生活に欠かせない「水」を安全に届けるためのインフラをつくる業務です。
配管を地中に埋設するケースがもっとも一般的ですが、橋に沿わせるものや、専用の管橋を設計することもあります。
ここでは、若手がまず経験することが多い“地中埋設”のケースを例に、仕事の流れをご紹介します。
調査・測量が終わると、社内での図面・計算書等の作成が中心になり、全体の70~80%が社内業務になります。
Step.1 業務を受注
まずは工期や条件を確認し、全体のスケジュールをつかみます。
若手であってもプロジェクトの全体像を把握できる工程なので、仕事の流れを理解する良い機会になります。
1つの案件の長さは短いと2か月、長いと1年~数年かかるものもあります。
- 作業工程表を作成します
Step.2 調査・測量
道路の下には水道・下水道・電気・ガス・通信など、多くのインフラが通っています。
まずは各事業者から資料を収集し、埋設物の位置を正確に把握。
その後、現地でマンホールや構造物の位置を確認し、図面だけではわからない“リアルな道路空間”を掴んでいきます。
若手もこの調査・測量から業務に参加することが多く、インフラの仕組みを理解する第一歩となります。
- 埋設物資料(下水道台帳)
- 測量の様子
- オフセット測量の様子
- 先輩社員に相談中
Step.3 協議
調査結果を踏まえて、まずは先輩のサポートを受けながら CAD で協議用の図面を作成します。
CAD は基本操作から丁寧に教えるので、未経験の方でも少しずつ扱えるようになります。
作成した図面をもとに、発注者(官公庁や企業など)と「どの位置に配管するか」「どの工法を採用するか」など、
プロジェクトの重要な判断が行われる段階です。
協議には先輩技術者と同行するため、実務での考え方や判断の流れを学べる貴重な時間となります。
- 配管位置イメージ
- 協議用図面イメージ
Step.4 設計
協議で決まった内容をもとに、いよいよ本格的な設計作業に進みます。
CADを使って、平面図、配管図、断面図など、施工に必要な詳細図面を丁寧に作成していきます。
水道管の取り替えや耐震化に必要な情報も盛り込み、現場で円滑に工事が進むための“指針”となる図面を仕上げていく工程です。
作成した図面は必ず先輩技術者がチェックし、品質を確保しながら完成へと近づけます。
若手にとっては、設計の考え方や図面の精度を学べる成長フェーズでもあります。
- 設計図面イメージ
- 設計PCイメージ
Step.5 数量計算書の作成
設計図面をもとに、工事で必要となる材料や数量を整理し、数量計算書を作成します。
工事費の算定にも使われる重要な資料で、図面と数字のつながりを理解できる工程です。
※PCを使った作業が中心で、Excelの基本的な入力ができれば問題なく取り組めます。
Step.6 検査
完成した図面や数量計算書は、発注者の検査を受けます。
内容に誤りがないか、設計の考え方が妥当かを確認していただく工程です。
若手は先輩と一緒に対応することが多く、「設計がどのように評価されるのか」 を学べる貴重な機会にもなっています。
検査に合格すれば、設計としての品質が正式に認められます。
Step.7 納品
検査後、最終確認を行い、図面や成果品一式を発注者へ納品します。
ここでプロジェクトが一区切りとなり、担当者としての達成感を実感できる場面です。
若手も一連の流れを経験することで、「社会インフラを支える設計が自分の仕事として形になる」 ことを実感できます。
- 成果品イメージ